不動産実務検定ブログ

2021/01/21

『相続税 小規模宅地等の特例について』②


本日は長野支部 兒玉講師のブログとなります!
前回の内容はこちらから!



相続税の申告にあたって小規模宅地等の特例を適用する時に、
対象となる宅地等が複数ある場合はどのように特例適用の宅地等を決めていけば良いのか
という事が問題になります


原則的には、1㎡当たりの評価額が最も高い宅地を優先して適用する事を考えていきます。

さらに、限度面積と減額割合を考慮して、
最も減額金額が大きい組合せを選択する事により納税者有利の観点から、
相続税の総額を少なくするように検討していきます。
  


【事例】

被相続人の相続財産で、特定居住用宅地等400㎡(相続税評価額 6,000万円)と、
貸付事業用宅地等300㎡(相続税評価額 9,000万円)があったとすると、
小規模宅地等の特例をどの様に適用したら良いでしょうか?


まず、1㎡あたりの評価額は、
特定居住用宅地等が150,000円、貸付事業用宅地等が300,000円で、貸付事業用宅地等が高い。


この1㎡あたりの評価額を基に、それぞれの限度面積と減額割合で計算をしてみると、

特定居住用宅地等は、150,000円×330㎡×80%=39,600,000円、
貸付事業用宅地等は、300,000円×200㎡×50%=30,000,000円となり、

特定居住用宅地等の方が減額金額が大きい。
  

この事例の場合は、
他の条件が無ければ特定居住用宅地等の400㎡の内330㎡に小規模宅地等の特例を適用していく事になります。


また、相続人に配偶者がいる場合、
配偶者の税額軽減を考慮してどの宅地等を誰が相続するのかも検討する必要があります。


さらに、第一次相続のみでなく、

第二次相続(配偶者の相続)まで見据えた分割をシュミレーションしながら、
第一次相続を考えていくことになります。
 

そして、この小規模宅地等の特例の規定は、
相続税の申告書の提出期限(相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月)までに、
特例の対象となる宅地等が分割されていることが要件になります。

相続税の申告期限までに分割されていない場合には、この規定の適用は受けられなくなります。

ただし、申告期限までに「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出して、その後遺産分割協議が行われ、
小規模宅地等の特例の規定を適用して算出した相続税額が
当初に申告した相続税額より減少することとなったときは、更正の請求をすることができます。
  

期限後申告は、期限内申告に比べて時間や労力がかかり、
また時には税金も多く納税する事になってしまいますので、期限内に申告をする事は大切なことです。

 

相続税法も他の税法と同様に、様々な改正があります。

大きな改正の一つとして、平成27年1月に相続税の基礎控除が引下げられました。
これによって、課税される割合が4%台から8%台と約2倍になりました。

それだけ、相続税の申告が必要なケースが増えた事になります。



私達の実務においても、相続税の申告の依頼や相談は確かに増えています。

相続税の申告期限は相続開始から10ヶ月ですが、この10ヶ月という期間はあっと言う間です。
いざ相続という前に、相続対策というものがこれから益々重要になってくると思います。


その様な時に、
不動産実務検定や相続コンサルタント養成講座での知識等が活用されるのではないかと思います。


-----------------------------------

長野支部 長野SG
J-REC公認 不動産コンサルタント
J-REC公認 長野相続相談センター

兒玉 道孝
http://www.mjs-kaikei.jp/c.p/kodama1888/

----------------------------------







不動産実務検定では全国各地の認定講座で、


ライフプランニング、不動産投資、満室経営、税金対策、建築、
ファイナンス、土地活用コンサルティングなど幅広い知識を学ぶことができます。



▼講座開催一覧
 https://www.j-rec.or.jp/schedule



オンライン講座も開催しておりますので安心してご受講いただけます!

▼オンライン講座開催一覧
 https://www.j-rec.or.jp/schedule/online



すぐに受講するのは不安・・・という方には無料受講もございます!

▼無料体験講座一覧
 https://www.j-rec.or.jp/othersemi/taiken_koza.html



各地大家塾や勉強会も開催しておりますので是非お気軽にご参加ください♪

▼認定勉強会開催一覧
 https://www.j-rec.or.jp/zaidan/sg_1.html



----------------------------------------------------------------

不動産実務検定ではFacebook、Twitterを更新しております♪
ぜひ、フォローしていただければと思います♪

 ----------------------------------------------------------------