不動産実務検定ブログ
2020/10/20
『原状回復工事の裏事情』
業者兼大家視点からみる、原状回復工事「発注のルール」
皆さんこんにちは、神奈川第一支部の工藤一善です。
私は、1992年より、原状回復工事の専門会社を経営しており、2007年からは大家業にもチャレンジしています。
収益物件を購入する前は、業者の視点でしか原状回復工事を見ていませんでしたが、その工事の発注主である、大家さんになってみると、今までにない新たな気付きをたくさん得ることができました。
そんな私からのメッセージは、大家さんである読者の方々に、「業者の裏事情」を知っていただき、より良いアパマン経営に反映していただければ幸いに思います。
原状回復工事と敷金精算の意外な関係
自主管理をされている方で、退去立会いもご自分でされている方は、その大変さを良くご理解いただけていると思いますが、管理会社に全てを委託されている方は、退去立会い後に、大家さんの負担金がある場合のみ、その了承を得るための相談の電話があるくらいで、そこに至る過程は、ほとんどの方がご存知ないと思われます。
昔は、一部の入居者からのみ、汚損破損の負担分に関してのクレームがありましたが、(今では考えられませんが、壁面の一面にのみ傷がある場合でも、全面張替えという工事が頻繁にあり、その費用の全額を入居者が負担していました。)情報が無条件で入手できる現在においては、多くの入居者が故意の汚損破損以外は、その工事費用の負担を了承することはなくなりました。
賢い入居者は、大家さんの立場が弱いのを良く理解しています。事を荒げて裁判を起こしても、大家さんが不利なことを良く知っているのです。
「退去立会い⇒原状回復工事見積書作成⇒敷金清算書作成」このプロセスの流れにおいて、私たち業者は管理会社と供にいかにしてスムーズな精算が出来るかを、常に模索しているわけです。
大家さんには、敷金精算の結果のみが伝えられますが、退去後の微妙な汚れや、床や壁面の傷等の負担を、入居者にしてもらうための、「交渉」には、かなりのストレスがかかることをご理解いただきたいと思います。
そこで、今回のテーマの本題に入る訳ですが、原状回復工事は退去立会い及び敷金精算をした業者に依頼するのが、「暗黙のルール」ということをお伝えします。
確かに、管理会社経由で送られてくる、見積書の金額は、大家さんご自身がネット等で見つけた最安値の工事業者に比べると高く感じると思います。
大家さん宛の敷金精算書に「退去立会い費」「敷金精算書作成費」等が計上されていれば、話は別ですが、余計な経費が一切計上されていない敷金精算書においては、ストレスのかかる入居者との交渉、そして大家さんとの交渉(負担分の承諾を得るため)精算書作成のための事務処理代が含まれているのです。
管理会社から見た「大家さんランキング」
私のところには、拙著を読んだ方から、原状回復工事の依頼の打診をしてくる大家さんがいるのですが、結構な確立で、上記のルールをご存知無い方がいます。
その都度、私は管理会社の了解を得ないで、工事を勝手に他社に依頼すると、大家さんご自身の「大家さんランキング」が確実に下がることを、ご説明しています。
読者の中には、これから大家さんを目指している方もいると思うので、このような基本的な「暗黙のルール」は知っていたほうがよいと思います。
管理会社から見た「大家さんランキング」は決して原状回復工事の発注だけで決まるわけではありませんが、「やりずらい大家さん」という認識は否めないことでしょう。
満室経営を継続するには、管理会社との良好な関係が不可欠である以上、「大家さんランキング」は常に意識すべき項目であります。
自主管理の場合ですが、単純に空室の原状回復工事又はバリューUPの工事見積もりを、「相見積り」にするのはよいと思いますが、業者が代行又は大家さんと同行して「退去立会い」をした場合は、その業者に工事を発注をして下さい。
場合によっては、工事価格の高い・安いがあると思いますが、そのような場合は基本的に大家さん側のリサーチ不足です。
取引前にクロスの張替え等の内装工事や間取りごとの空室清掃の価格を確認すれば良い事なのです。
出てきた見積り書を見てから、価格について不満を言うのも、一種のルール違反かも知れません。
基本的に、退去立会いをしたにも関わらず、工事の発注をいただけ無い場合は、間違いなくその大家さんを「要注意大家さんリスト」に入れています。
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J-REC神奈川支部 横浜旭SG
支部長 工藤一善
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私は、1992年より、原状回復工事の専門会社を経営しており、2007年からは大家業にもチャレンジしています。
収益物件を購入する前は、業者の視点でしか原状回復工事を見ていませんでしたが、その工事の発注主である、大家さんになってみると、今までにない新たな気付きをたくさん得ることができました。
そんな私からのメッセージは、大家さんである読者の方々に、「業者の裏事情」を知っていただき、より良いアパマン経営に反映していただければ幸いに思います。
原状回復工事と敷金精算の意外な関係
自主管理をされている方で、退去立会いもご自分でされている方は、その大変さを良くご理解いただけていると思いますが、管理会社に全てを委託されている方は、退去立会い後に、大家さんの負担金がある場合のみ、その了承を得るための相談の電話があるくらいで、そこに至る過程は、ほとんどの方がご存知ないと思われます。
昔は、一部の入居者からのみ、汚損破損の負担分に関してのクレームがありましたが、(今では考えられませんが、壁面の一面にのみ傷がある場合でも、全面張替えという工事が頻繁にあり、その費用の全額を入居者が負担していました。)情報が無条件で入手できる現在においては、多くの入居者が故意の汚損破損以外は、その工事費用の負担を了承することはなくなりました。
賢い入居者は、大家さんの立場が弱いのを良く理解しています。事を荒げて裁判を起こしても、大家さんが不利なことを良く知っているのです。
「退去立会い⇒原状回復工事見積書作成⇒敷金清算書作成」このプロセスの流れにおいて、私たち業者は管理会社と供にいかにしてスムーズな精算が出来るかを、常に模索しているわけです。
大家さんには、敷金精算の結果のみが伝えられますが、退去後の微妙な汚れや、床や壁面の傷等の負担を、入居者にしてもらうための、「交渉」には、かなりのストレスがかかることをご理解いただきたいと思います。
そこで、今回のテーマの本題に入る訳ですが、原状回復工事は退去立会い及び敷金精算をした業者に依頼するのが、「暗黙のルール」ということをお伝えします。
確かに、管理会社経由で送られてくる、見積書の金額は、大家さんご自身がネット等で見つけた最安値の工事業者に比べると高く感じると思います。
大家さん宛の敷金精算書に「退去立会い費」「敷金精算書作成費」等が計上されていれば、話は別ですが、余計な経費が一切計上されていない敷金精算書においては、ストレスのかかる入居者との交渉、そして大家さんとの交渉(負担分の承諾を得るため)精算書作成のための事務処理代が含まれているのです。
管理会社から見た「大家さんランキング」
私のところには、拙著を読んだ方から、原状回復工事の依頼の打診をしてくる大家さんがいるのですが、結構な確立で、上記のルールをご存知無い方がいます。
その都度、私は管理会社の了解を得ないで、工事を勝手に他社に依頼すると、大家さんご自身の「大家さんランキング」が確実に下がることを、ご説明しています。
読者の中には、これから大家さんを目指している方もいると思うので、このような基本的な「暗黙のルール」は知っていたほうがよいと思います。
管理会社から見た「大家さんランキング」は決して原状回復工事の発注だけで決まるわけではありませんが、「やりずらい大家さん」という認識は否めないことでしょう。
満室経営を継続するには、管理会社との良好な関係が不可欠である以上、「大家さんランキング」は常に意識すべき項目であります。
自主管理の場合ですが、単純に空室の原状回復工事又はバリューUPの工事見積もりを、「相見積り」にするのはよいと思いますが、業者が代行又は大家さんと同行して「退去立会い」をした場合は、その業者に工事を発注をして下さい。
場合によっては、工事価格の高い・安いがあると思いますが、そのような場合は基本的に大家さん側のリサーチ不足です。
取引前にクロスの張替え等の内装工事や間取りごとの空室清掃の価格を確認すれば良い事なのです。
出てきた見積り書を見てから、価格について不満を言うのも、一種のルール違反かも知れません。
基本的に、退去立会いをしたにも関わらず、工事の発注をいただけ無い場合は、間違いなくその大家さんを「要注意大家さんリスト」に入れています。
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