不動産実務検定ブログ
2021/06/09
『アパートの階段崩落事故はなぜ起こったのか!? 第1回』<全3回>
みなさん、こんにちは。
J-REC事務局の横山千穂です!
今年4月に八王子の築8年のアパートの階段が崩落して
住民の女性が転落し頭を強く打って死亡してしまいました。
この物件は築8年の築浅の物件だったということで
建設会社の施工に問題がなかったのか、
業務上過失致死の疑いで警視庁の捜査を受けていましたが
先日なんとこの会社は自己破産を申請して居直ろうとしています。
わずか築8年で階段が崩落するなんていう事故は
聞いたことがありませんが、
この物件は建築の完了検査も受けていたそうで、
合法的に作られた物件ではあるようです。
そうするとこの事故は一体、
誰にその責任があるのでしょうか?
本当に建設会社だけの問題なのでしょうか・・・
実はこの問題、
大家さんも責任を取る必要があるかもしれません
そこで今回は、なぜ階段崩落事故が起きたのか。
そもそもこの事故の責任は誰にあるのか。
そして、今回このような事故を防ぐためには
大家さんはどうしたらいいのかを
全3回シリーズで具体的に解説したいと思います!
今回のブログを読んでいただければ、
誰にどんな責任があるのか明確になりますし、
大家さんにはどのような義務と責任があるのか、
そしてそのリスクを回避する方法がわかるようになります!
さらには、今回のような事故を起こさないための
業者選びのポイントもわかるようになりますので、
ぜひ、最後までご覧くださいね♪
それではまず、
今回のような階段崩落事故はなぜ起きたのか
を、解説していきます。
捜査関係者の調査によると、
今回崩落した鉄骨製の階段は、
木製の踊り場とL字の金具2個で繋がれていて、
階段側はササラの部分に溶接、
踊り場の方は3本のビスで固定されていたといいます。
この踊り場の木の板が風雨を受けて腐食していたので、
つなぎ目の金具と一緒に鉄骨の階段が落下したそうです。
このアパートを設計した設計士によると、
この階段はすべて鉄骨製で設計されていたのに、
施工の段階で踊り場の床が
木製に変更されていたといいます。
一般的に外部階段は、
踊り場も含めてすべて鉄骨で作ります。
鉄骨工場で製作し、いくつかに分割して現場に運び、
クレーンでつり上げて組み立てボルトで結合します。
なので、もともと鉄骨製であればわずか築8年で
崩壊するなんていう事故は起こりえなかったと思いますが、
なぜ、鉄骨階段の踊り場だけを木製にしたのでしょうか
これは単にコストダウンのためだと思います。
もし、大家さんがこの設計変更を知らない、
もしくはこの設計変更を認めていなかったのであれば
これは明らかに施工業者の契約違反です。
ただ、建物自体は役所の完成検査を受けていたので
合法だとは思います。
では、この崩落事故の責任は一体誰にあるのか!?
次回はこの疑問からお伝えしたいと思います!
ぜひ、次回もご覧くださいね♪
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一般財団法人 日本不動産コミュニティー
J-REC事務局 横山千穂