不動産実務検定ブログ
2021/08/10
『防犯知識とその活用(空き巣編その2)』
こんにちは。
JREC相模原SGの西 富士男です。
前回の記事の続編となりますが『防犯知識とその活用 空き巣編その2』をお伝え致します。
▼前回の記事
『防犯知識とその活用(空き巣編その1)』
https://www.j-rec.or.jp/blog/510
空き巣犯の生態を理解するという意味で、
先日は空き巣犯の手口や狙われやすい環境をお知らせしました。
今日は『空き巣犯が犯行をあきらめる時』という観点から押さえて行きます。
空き巣犯は実行する時も下見の時でも、
『人の視線』を恐れます。
人に見られただけで、或いは声をかけられただけで犯行を断念するのです。
事前に犯行をあきらめさせる事は非常に重要なのです。
そこで、空き巣犯が『あきらめる理由』を確立が高い順にお伝えします。
1.近所の人に見られた時
2.ドアや窓に補助錠が付いていた時
3.飼い犬がいた時
4.防犯システム装置が付いていた時
5.防犯カメラが付いていた時
6.窓に面格子が付いていた時
となります。
空き巣犯の『あきらめ心理』を逆手にとって、
ピンポイントでの対策予防をすれば良いのです。
そこで、本日は個人でとれる対策、ネットワーク(ご近所さんと連携)でとれる対策、
そしてこのJRECブログは『不動産実務検定』という
不動産賃貸経営の内容という事もあるので、
共同住宅(アパート・マンション)の大家さんがとれる対策の3つのパターンに分けてお伝えします。
今後、長期留守にする予定のある方等は出来る防犯予防を参考にして下さい。
・近所で見かけない人がウロウロしていたら、
危なくない距離から『どちらの家をお探しですか?』と声掛けをする。
(声掛けをされた空き巣犯はほぼ犯行に及びません)
・玄関のカギをピッキング対策用に取り替える
(1ドア3ロックも良い。
その他にも暗証番号形式の商品や指紋認証や動脈認証の生体識別による
バイオメトリスク認証を取り入れたハイテク商品もあります)
・死角となる様なうす暗い環境の部屋には面格子を付ける
(トイレや浴室の小さい高窓は要注意。換気の行為から鍵の締め忘れが多いのです。)
・窓ガラス自体の強化
(合わせガラス・防犯複層ガラス・網入りガラス・ラミネートガラス・ペアガラス・強化ガラス・超飛散防止フィルムを貼ったガラス等)
・戸建の場合、2階からの侵入を防ぐ為、足場となる様な物は置かない。
・門扉にも鍵を取り付け、インターホンにはテレビドアホンにする
・本物の監視カメラ・ダミーの監視カメラの設置
・「警戒中」「警戒システム作動中」等の警備会社のシールを目立つ所に貼る。
玄関や門扉に「番犬注意」や「猛犬注意」のシールも効果がある。
・夜の留守のカモフラージュとして、タイマーで明りやテレビがつくようにしておく。
(1日位の留守なら1部屋の電気を付けっ放しという方法もあります)
・留守が長期の場合は現金・貴金属・預貯金・カード類は金融機関の貸金庫に預ける、
または親族・信頼出来る知人に預ける。(通帳と印鑑は別に保管するのがベストです。
万が一、空き巣に入られても貴重品を置いていないという事が何より大切なのです)
・高価な絵画や骨董品まで持ち出しをする事は通常困難なので、盗難保険に加入する事をお勧めします。
・留守中のポストに溜まる郵便物や新聞を溜まらない様にする必要がある。
犯罪者はポストの状況をよく見ています。
溜まっていたら留守宅だと察知するのです。
郵便局の「局止め」を申請すれば配達ストップが出来ますし、
新聞は新聞屋さんに連絡をすると長期不在等の場合は配達をしない様に依頼出来ます。
新聞屋さんの届けない住所リストが入口から見える場合のホワイトボードで書いているケースがるので、
その場合は新聞屋さんに言って、消す様に依頼する。
(実はこの新聞屋さんのホワイトボードのリストを見て空き巣を狙い打ちするケースも多発している)
・毎日の挨拶(コミュニケーション)に勝るものはありません。
不審者がいた等の情報交換は大切です。
・防犯パトロールを協力して実施する。
・ゴミ出しのルールを近所で徹底して守る。
(空き巣犯はゴミ出し収集所が汚かったり、
時間外に出している様な地域に対しては「管理が甘くいい加減なので警戒心も薄いだろう」と判断し、
空き巣に入られる可能性が高まるのです。)
・夜については、近所の防犯対策として各家の外灯を付ける。少しでも明るくする努力をする。
・長期留守をする際は、近所の方にその旨を伝えて、不審者がいないかどうか留守中に見てもらう。
(路頭で大きな声で伝達するのはNGです。どこで誰が聞いているかはわかりませんので・・・)
(参考までに・・・近所の方の協力で空き巣被害をゼロにした事例)
元々、空き巣被害が多発していたある5階建てアパートがありました。
何とかしようという事で住民が結束して空き巣被害をなんとゼロにした事例があります。
その方法とは北側と南側のベランダ部分に各家全部に外から見える様に「花」を飾ったのです。
一面花だらけなので、そこを通る人がみんなそのアパートを綺麗だねと言って見ていくのです。
空き巣犯からすれば、その状況を見て最も恐れる『見られる』という心理効果が働き
犯罪抑制に繋がったという事例です。
1人1人だと出来る事は限られますが、協力をして力を合わせた方が効果絶大だという良い事例です。
・共同住宅では、1階と最上階が狙われやすい。
その中でも外部から玄関ドアが見えない部屋は最も危険。
玄関以外ではやはりベランダ。
排水管を伝って下からベランダに侵入したりします。
玄関やベランダについては防犯上の鍵かけのアナウンス(特に最上階の方)を入居者にするべきです。
・屋根付き駐車場や自動販売機を敷地内に設置する場合、
よじ登って空き巣犯の補助的役割を果たしていないかどうかの検証をして
設置位置を決める必要があります。場合によっては移動をする。
・非常階段のドアは内部からは開くが、外部からは開かない構造が望ましい
・屋上は立ち入り禁止にする
・エレベーター内の 監視カメラ設置は犯罪抑止効果があります。
・入退去時の原状回復リフォームの時の鍵交換については、
新入居者が入居する直前に鍵は交換する。
(管理会社に鍵を預けている場合は、不正なスペアキーの複製をしない事への規定をしっかりする事も大切です)
・敷地内に入らせない工夫としては、大家さん自身が敷地や周囲、通り、近隣からどの部分が死角となり、
どの様に見えるのかを観察検証する必要があります。
合わせて周囲の立ち木や電柱、塀やブロック壁、隣接した建築物の屋根の位置関係を確認して
侵入を防ぐようにする。敷地境界の堀の上に有刺鉄線や忍び返しを設けると効果があります。
・雑草や植木の定期的メンテナンスをしっかりと行い、不要に伸ばし住宅に死角を作らないようにする
・入居者様の携帯メールアドレスを取得し、空き巣被害があった時等の緊急連絡をいつでも出来るようにする。
2次被害が起きない様に注意を促す文を借主様に伝達する。
以上となりますが、皆さんいかがだったでしょうか?
まだ『防犯』という観点からはほんの一部です。
この様な記事から防犯に対する意識を高めてもらえるきっかけを作れたなら、非常に嬉しいです。
防犯対策で完璧な対策なんて残念ながらありません。
しかし、小さな対策を積み重ねる事により大きな効果を生むのも事実なのです。
『自分の身は自分で護る』 この言葉に尽きます・・・
▼神奈川支部 西 富士男 講師
https://www.j-rec.or.jp/koushi/show/114
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JREC相模原SGの西 富士男です。
前回の記事の続編となりますが『防犯知識とその活用 空き巣編その2』をお伝え致します。
▼前回の記事
『防犯知識とその活用(空き巣編その1)』
https://www.j-rec.or.jp/blog/510
空き巣犯の生態を理解するという意味で、
先日は空き巣犯の手口や狙われやすい環境をお知らせしました。
今日は『空き巣犯が犯行をあきらめる時』という観点から押さえて行きます。
空き巣犯は実行する時も下見の時でも、
『人の視線』を恐れます。
人に見られただけで、或いは声をかけられただけで犯行を断念するのです。
事前に犯行をあきらめさせる事は非常に重要なのです。
そこで、空き巣犯が『あきらめる理由』を確立が高い順にお伝えします。
1.近所の人に見られた時
2.ドアや窓に補助錠が付いていた時
3.飼い犬がいた時
4.防犯システム装置が付いていた時
5.防犯カメラが付いていた時
6.窓に面格子が付いていた時
となります。
空き巣犯の『あきらめ心理』を逆手にとって、
ピンポイントでの対策予防をすれば良いのです。
そこで、本日は個人でとれる対策、ネットワーク(ご近所さんと連携)でとれる対策、
そしてこのJRECブログは『不動産実務検定』という
不動産賃貸経営の内容という事もあるので、
共同住宅(アパート・マンション)の大家さんがとれる対策の3つのパターンに分けてお伝えします。
今後、長期留守にする予定のある方等は出来る防犯予防を参考にして下さい。
■個人でとれる対策
・近所で見かけない人がウロウロしていたら、
危なくない距離から『どちらの家をお探しですか?』と声掛けをする。
(声掛けをされた空き巣犯はほぼ犯行に及びません)
・玄関のカギをピッキング対策用に取り替える
(1ドア3ロックも良い。
その他にも暗証番号形式の商品や指紋認証や動脈認証の生体識別による
バイオメトリスク認証を取り入れたハイテク商品もあります)
・死角となる様なうす暗い環境の部屋には面格子を付ける
(トイレや浴室の小さい高窓は要注意。換気の行為から鍵の締め忘れが多いのです。)
・窓ガラス自体の強化
(合わせガラス・防犯複層ガラス・網入りガラス・ラミネートガラス・ペアガラス・強化ガラス・超飛散防止フィルムを貼ったガラス等)
・戸建の場合、2階からの侵入を防ぐ為、足場となる様な物は置かない。
・門扉にも鍵を取り付け、インターホンにはテレビドアホンにする
・本物の監視カメラ・ダミーの監視カメラの設置
・「警戒中」「警戒システム作動中」等の警備会社のシールを目立つ所に貼る。
玄関や門扉に「番犬注意」や「猛犬注意」のシールも効果がある。
・夜の留守のカモフラージュとして、タイマーで明りやテレビがつくようにしておく。
(1日位の留守なら1部屋の電気を付けっ放しという方法もあります)
・留守が長期の場合は現金・貴金属・預貯金・カード類は金融機関の貸金庫に預ける、
または親族・信頼出来る知人に預ける。(通帳と印鑑は別に保管するのがベストです。
万が一、空き巣に入られても貴重品を置いていないという事が何より大切なのです)
・高価な絵画や骨董品まで持ち出しをする事は通常困難なので、盗難保険に加入する事をお勧めします。
・留守中のポストに溜まる郵便物や新聞を溜まらない様にする必要がある。
犯罪者はポストの状況をよく見ています。
溜まっていたら留守宅だと察知するのです。
郵便局の「局止め」を申請すれば配達ストップが出来ますし、
新聞は新聞屋さんに連絡をすると長期不在等の場合は配達をしない様に依頼出来ます。
新聞屋さんの届けない住所リストが入口から見える場合のホワイトボードで書いているケースがるので、
その場合は新聞屋さんに言って、消す様に依頼する。
(実はこの新聞屋さんのホワイトボードのリストを見て空き巣を狙い打ちするケースも多発している)
■ネットワーク(ご近所さんと連携)でとれる対策
・毎日の挨拶(コミュニケーション)に勝るものはありません。
不審者がいた等の情報交換は大切です。
・防犯パトロールを協力して実施する。
・ゴミ出しのルールを近所で徹底して守る。
(空き巣犯はゴミ出し収集所が汚かったり、
時間外に出している様な地域に対しては「管理が甘くいい加減なので警戒心も薄いだろう」と判断し、
空き巣に入られる可能性が高まるのです。)
・夜については、近所の防犯対策として各家の外灯を付ける。少しでも明るくする努力をする。
・長期留守をする際は、近所の方にその旨を伝えて、不審者がいないかどうか留守中に見てもらう。
(路頭で大きな声で伝達するのはNGです。どこで誰が聞いているかはわかりませんので・・・)
(参考までに・・・近所の方の協力で空き巣被害をゼロにした事例)
元々、空き巣被害が多発していたある5階建てアパートがありました。
何とかしようという事で住民が結束して空き巣被害をなんとゼロにした事例があります。
その方法とは北側と南側のベランダ部分に各家全部に外から見える様に「花」を飾ったのです。
一面花だらけなので、そこを通る人がみんなそのアパートを綺麗だねと言って見ていくのです。
空き巣犯からすれば、その状況を見て最も恐れる『見られる』という心理効果が働き
犯罪抑制に繋がったという事例です。
1人1人だと出来る事は限られますが、協力をして力を合わせた方が効果絶大だという良い事例です。
■共同住宅(アパート・マンション)の大家さんがとれる対策
・共同住宅では、1階と最上階が狙われやすい。
その中でも外部から玄関ドアが見えない部屋は最も危険。
玄関以外ではやはりベランダ。
排水管を伝って下からベランダに侵入したりします。
玄関やベランダについては防犯上の鍵かけのアナウンス(特に最上階の方)を入居者にするべきです。
・屋根付き駐車場や自動販売機を敷地内に設置する場合、
よじ登って空き巣犯の補助的役割を果たしていないかどうかの検証をして
設置位置を決める必要があります。場合によっては移動をする。
・非常階段のドアは内部からは開くが、外部からは開かない構造が望ましい
・屋上は立ち入り禁止にする
・エレベーター内の 監視カメラ設置は犯罪抑止効果があります。
・入退去時の原状回復リフォームの時の鍵交換については、
新入居者が入居する直前に鍵は交換する。
(管理会社に鍵を預けている場合は、不正なスペアキーの複製をしない事への規定をしっかりする事も大切です)
・敷地内に入らせない工夫としては、大家さん自身が敷地や周囲、通り、近隣からどの部分が死角となり、
どの様に見えるのかを観察検証する必要があります。
合わせて周囲の立ち木や電柱、塀やブロック壁、隣接した建築物の屋根の位置関係を確認して
侵入を防ぐようにする。敷地境界の堀の上に有刺鉄線や忍び返しを設けると効果があります。
・雑草や植木の定期的メンテナンスをしっかりと行い、不要に伸ばし住宅に死角を作らないようにする
・入居者様の携帯メールアドレスを取得し、空き巣被害があった時等の緊急連絡をいつでも出来るようにする。
2次被害が起きない様に注意を促す文を借主様に伝達する。
以上となりますが、皆さんいかがだったでしょうか?
まだ『防犯』という観点からはほんの一部です。
この様な記事から防犯に対する意識を高めてもらえるきっかけを作れたなら、非常に嬉しいです。
防犯対策で完璧な対策なんて残念ながらありません。
しかし、小さな対策を積み重ねる事により大きな効果を生むのも事実なのです。
『自分の身は自分で護る』 この言葉に尽きます・・・
▼神奈川支部 西 富士男 講師
https://www.j-rec.or.jp/koushi/show/114
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