不動産実務検定ブログ

2024/12/25

『日本のマンション99%建て替え不可能です!』<最終回>


みなさん、こんにちは。
J-REC事務局の横山千穂です。


▼『日本のマンション99%
  建て替え不可能です!』<第1回>
https://www.j-rec.or.jp/blog/1331

▼『日本のマンション99%
  建て替え不可能です!』<第2回>
https://www.j-rec.or.jp/blog/1335



今までのブログを読んでいただいて、


「建て替えられないんだったら
 どうすればいんだよ!」



という方もいらっしゃると思いますが、


世の中の分譲マンションの99%は
建て替えができないのですから、


建て替えにこだわるよりも


別の選択を選んだ方が賢いかもしれません。


そこで最終回では、


◎ 建て替え以外の3つの選択肢


について紹介したいと思います。


1つ目の選択肢は、


◎ 修繕を続けながらずっと住み続ける


例えば、


ヨーロッパに行くと建物は
建て替えるものではなく


適切な修繕をしながら使い続ける
という価値観が根付いています。



なので、


築100年や200年なんていう建物は
ゴロゴロしているんです。


このような価値観の下では
中古住宅の価値は下がるませんので


新築よりも中古マンションの
取引の方が多いんです。



ところが日本では、


住宅の価値が築20~30年でほぼ0になる
減価償却前提の文化が続いています。



これは戦後、


復興の一環で政府が安普請な住宅を
大量に作らせたからなんです。


・低断熱

・低気密

・低耐震



このような『3T』な住宅が
大量生産された結果、


長くとも日本の住宅は40~50年で
価値が0になるため


建て替えを前提とした価値観が
根付いてしまったようです。



そうは言っても、


築40年を超える住宅はもう
取り返しがつかないですから


長寿命化を前提とした修繕計画を
作ることが重要ですし、


補助金を出すなどの政策転換も
必要になると思います。



例えば、


1番最初にできるのは
開口部である窓の高断熱化です。



すでに補助金が出るように
なっていますので、


これは積極的に利用すべきです!


次に、外装の高断熱化です。


日本のマンションのほとんどは
内断熱になっていますので、


外壁や躯体コンクリートが
暑い夏や厳しい冬の寒さに晒されて


日々収縮を繰り返しています。


これがコンクリートのひび割れを誘発して
躯体が老朽化していくわけです。


なので、


外断熱改修ができれば
躯体の収縮は抑えられますので、


マンションの高寿命化に
つなげることができます。



こういった外断熱化の部分に
補助金を出すとか、


大規模修繕に対する優遇ローンなどの
商品開発も必要だと思います。


また、


大規模修繕の費用を確保するためにも
修繕積立金の賢い運用が必要です。



例えば、


武蔵小杉にある某タワマンの
管理組合が修繕積立金を運用して、


15年間で2億4,000万円も儲けた
という事例があります。



この管理組合では、


金融関係に努める住民を
理事に招聘して議論をした結果、


高格付けの社債で運用することを
決めたそうです。


具体的には、


三井不動産や三菱UFJ銀行、関西電力など
非常に格付けの高い社債を買って



0.4~1.2%の利率で
運用していたそうです。


その結果なんと


◎ 15年間で2億4,000万円もの
  利益がでた



ということなんです。


今その管理組合では全体で


20億円程度の修繕積立金を
運用しているとのことですが、


このように管理組合が
しっかり機能していれば


将来の大規模修繕も心配がなくなる
といういい事例だと思います。



2つ目の選択肢は、


◎ マンションを売って
  賃貸か戸建てに住み替える



今回のブログでお伝えしているように
マンションの建て替えができるのは、


かなりの好立地にあることが
条件になります。



なぜなら、


それ以外のマンションは
持ち出しが多くなって


合意形成ができないからです。


将来の大規模修繕も少なからず
住民の追加負担はあると思いますので、


ある時期にマンションを売って
賃貸暮らしをするか、


戸建てに住み替えるのも
1つの手だと思います。



現在のマンションの
コミュニティー機能が不安定な場合は


基本的に大規模修繕も難しくなるので、


先の見えない議論をするよりも


気軽な賃貸や戸建てに
住み替えるのが得策かもしれません。


3つ目の選択肢は、


◎ 解体して土地を売って清算する


マンション建替円滑化法には
建て替えを断念して敷地を売却し


その売却代金を区分所有者に
分配する制度があります。


住民の経済的な理由などによって
建て替えができず


また老朽化や耐震不足で
大規模修繕も難しい場合には


マンションを解体して敷地を
売却することも考えられます。



その点マンション建替円滑化法では、


区分所有者の4/5以上の同意があれば
売却もできると規定されています。


もちろんこれは稀なケースで
最後の手段になると思いますが


このような選択肢もあり得るということを
理解しておくことは重要だと思います。



今回のブログいかがでしたでしょうか。


分譲マンションの建て替え問題は
単なる費用の問題だけではなく


法制度や文化的な背景、


そして住民意識など多くの要因が
絡み合った複雑な課題です。



現状は建て替えはほぼ不可能ですから
建て替えに固執するよりも


長寿命化のための修繕計画を
練った方が現実的だと思います。


そのためにも、


管理組合への積極的な参画や
良質なコミュニティの形成が重要です。



そもそものこようなことに
関わりたくないという場合は、


マンションを買うのはやめて
賃貸か戸建てに住んだ方がいいと思います。


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一般財団法人 日本不動産コミュニティー
J-REC事務局 横山千穂





◆◆ よこやま今日のひとこと日記 ◆◆

メリークリスマス!

今日は横山家のクリスマスパーティーです♪

弟家族と一緒にやりますよぉー!

ちなみに私は今年もサンタさんに

『おしゃべりアンパンマン』

をお願いしているのですが

まだ届いていません。

きっと、今日届くのだと思います。

おそらく・・・うんうん。

毎年そう思って過ごしているのに
届かないのが現実ですが(笑)

サンタさん、待ってまーす♪