不動産実務検定ブログ
2020/09/16
『第2回 不動産投資 ボッタクリの実態!』(全3回)
みなさん、こんにちは。
J-REC事務局の横山千穂です!
前回より全3回シリーズでお送りしております
『不動産投資 ボッタクリの実態!』
今回は第2回目です。
早速ボッタクリの実態を暴いていきましょう!
【 ボッタクリ その③ 】 中古区分マンション
中古区分マンションは、
売買再販業者から購入する場合は注意しなければいけません。
当然この買取業者がバルク、
つまりまとめ買いで仕入れてきた場合は、
次に購入する投資家は安く購入できる場合もありますが、
一般的にバルク出ない場合は買取再販業者よりも、
直接売主から購入してきた方が安い場合が多いので、
中古区分マンションを購入する場合は、
基本的に業者ではなく直接売主から購入すること
を、検討するようにしましょう。
【 ボッタクリ その④ 】 ゼネコン 工務店
工事がスタートして仕様も決まっているのに、
「今から部材を発注すると間に合わないので、
在庫としてある既製品の中から選んでくれませんか?」
と、言われることがあります。
それは、設計書に載っている仕様で購入すると
工務店も安く仕入れられないので、
在庫としてメーカーに余っている既製品をオーナーに選んでもらい
設計変更のコストダウン分はそのまま工務店の利益になることが多いんです。
なので、もし工務店から
「既製品に変えてもらえませんか」というオファーを受け、
そのオファーを受けるのであればコストダウンですので、
値引きも同時に依頼
するようにしましょう。
【 ボッタクリ その⑤ 】 設計事務所
設計事務所のフィーというものは実はブラックボックスに包まれていて、
何%だったら妥当なのかというところは明らかにされていません。
一部の建築士会では、
妥当な設計料というものは10%と言われているようですが、
隈研吾さんのようなブランドがあるのであれば、
10%もやむなしという風に思いますが、
一般的にノンブランドであれば10%は高すぎると思います。
例えば1億円の建築費であれば 10% → 1,000万円 の設計料です。
形のない成果物とすれば、
この 10% → 1,000万円 というのは高すぎると思います。
設計料は5%前後で十分です。
構造計算が不要な木造であればもっと安くてもいいと思います。
ここで、設計の種類について整理してみます。
一般的に設計というものは、
「意匠設計」と「構造設計」に分かれます。
意匠設計というのは設計で言う
平面図・立面図・断面図・建具の展開図、
そして、仕様に関する設計を基本的に行います。
更に、鉄骨造やRC造など構造設計が必要な部分については、
構造設計専門の設計事務所に構造計算を依頼します。
そして意匠設計をする設計事務所は、
構造設計も取りまとめて実際の建築に必要な建築許可、
すなわち、確認申請書を役所に提出して
許可を得るのが役割になります。
基本的に設計事務所の役割というのはここまでですが、
現場が開始されてから現場の設計監理まで含む場合は、
意匠設計料 + 設計監理料 というものがかかります。
その設計監理に含まれるものとしては、
近隣説明会の資料、立会料、現場のチェック検査の立会いになります。
現場チェックについては、
例えば配筋検査だとか構造のチェックなども含まれます。
そして、現場の進捗ごとに定例打合せというのがあります。
この定例打合せの時にオーナーの側に立って仕様を決めたり、
あるいは工程のチェックを行います。
よくあるケースは、設計監理料を払っているのに、
まともな監理をしていない設計士がいるということです。
なので、設計だけでなく監理も依頼する場合は、
具体的にどのような監理をしてくれるのかを
しっかり事前に確認すること
を、お勧めします。
そして、設計を依頼する際、
ここだけは気を付けてほしいということがあります。
それは何かというと、
指定部材には気を付けてほしい
です。
これはなにかというと、
設計士側から杭の仕様をこうしましょう、
エレベーターの仕様はこうしましょうと、
使用をアドバイスするまではいいのですが、
その杭を施工する業者やエレベーターを施工する業者まで、
指定するということが気を付けるべきポイントです。
なぜかというと、
杭やエレベーターというのは単価が高いので、
その部材が指定業者で施工することになっている場合には、
その業者との間でバックマージンが絡んでいるケースが非常に多いからです。
そして、建築確認申請という建築許可を受けた後に、
杭とかエレベーターの指定部材を変える際は、
設計変更が簡単に許されない部分なので
もう一度確認申請をやり直さなければいけなくなります。
なので、杭やエレベーター、防火対応の素材など、
極めて設計上重要な部分については、
業者を設計段階で指定しないように気を付けて下さい。
そうしないと、500万円あるいは1,000万円、2,000万円ぐらいまで
規模によっては違ってくるケースがあるからです。
そして、絶対付き合ってはいけない設計士はどんな人かというと、
とにかく採算度外視な意匠ばかりこだわってしまうデザイナー先生。
賃貸経営においてよりよくその物件をみせるのは重要ですが、
お金をかけさえすれば誰でも良い設計ができます。
これをいかに安い素材でよく見せるかというところが、
設計士の腕の見せ所なのです。
にもかかわらず、
モニュメントを設計したり噴水を設置したり、
とにかく人の建物を自分の作品と捉えて自分の我を
表現しようとする設計士には絶対に依頼しないようにして下さい。
もちろん、とことんこだわった自分の為に自宅を作るんであれば、
それは予算度外視でもいいと思います。
賃貸経営として収益を重要視するのであれば
コスト感覚にバランスが取れている設計士
と、付き合うようにしましょう。
『第2回 不動産投資 ボッタクリの実態!』は、ここまでです。
いかがだったでしょうか?
次回は最終回!
『第3回 不動産投資 ボッタクリの実態!』も、ぜひお楽しみに!
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一般財団法人 日本不動産コミュニティー
J-REC事務局 横山千穂