不動産実務検定ブログ
2020/10/29
『出会いとチャンス』
①一冊の本との出会い
私はサラリーマンである。
地主でもなければ大家でもない。
周りの人はそんな私に相続の相談を持ち掛けてくることがある。
相談内容は多義にわたるが、財産の中に必ず不動産が入っている。
残念ながら私は不動産に携わったことがないので不得手であった。
ある地方に転勤して間もないころ、地主さんから相続の相談を持ち掛けられた。
不動産会社は土地の売買を提案。
銀行は融資を提案。
住宅メーカーはアパート建築を提案。
生命保険会社は保険を提案。
一体何をどういう順番やったらいいのかという状態でした。
全体を俯瞰できる人がいないことに気づきました。
私は、大家さんが何を考えているのか知りたくなり、一冊の本を買い求めました。
「アパ・マン満室経営術」(浦田健著)に「大家検定」(現不動産実務検定)という文字と日本不動産コミュニティーという団体があることが書かれていました。
日本不動産コミュニティーの事務局にすぐに電話をして、近く開催される予定の講座を確認しました。
残念ながら東京まで来てくださいとのことでした。
心残りはありましたが心折れて断念しました。
②義を見てせざるは・・・
それから3年が経過し、私は東京に転勤となりました。
東京は地方よりも相続の相談が多くなりました。
しかし私には不動産の知識がない。
思い出しました。「大家検定」、インターネットで検索しました。
開催日程と場所を勘案すると渋谷が一番便利でした。
二級講座のスタートです。
学んだことはたくさんあります。
基本は「企画」「ファイナンス」「税務」「管理」の4つ、中でも企画が80%であるということです。
ただし、どんなに素晴らしい計画を立てても資金調達が出来なければ絵にかいた餅。
不動産には多種の税金が関係しています。
単に節税しましょうという利己的な話ではありません。
課税をされたり、免除されたり、減免される仕組みを理解することで内部留保を増やしていきます。
より快適な住環境を造るための再投資に向けた資金づくりです。
会員の仲間の一人から聞いた話です。
「大家業はサービス業である。入居者が満足して初めてお金をもらえる。」
サービス業である以上、心を込めて住環境を整えることの大切を教えていただきました。
また、自分の賃貸不動産は可愛いものです。
自ずときれいにしたくなります。
それが4つ目の「管理」です。
③不動産と認知症の問題は腐れ縁
不動産に関する勉強をしていくと、契約の締結や法律行為がたくさん出てきます。
私は賃貸物件に住んでいます。
入居にあたり、入居申し込み、契約書や連帯保証人、火災保険の契約管理会社と契約するものもありますが、賃貸契約は大家さんとの直接契約になっています。
友人が町田市に賃貸アパートを1億円で建設中です。
発注契約や金銭消費貸借契約、抵当権の設定、質権の設定、役所への届け出等々契約行為や法律行為があります。
修繕する時の発注契約や検収、支払、売買する場合の登記関係や申告、口座の管理。
自分でできる人も、税理士や司法書士に依頼する人もいます。
それは、ご自身の認知機能がある間の話です。
これは恐ろしい話です。
いつ自分の認知機能が衰えるか誰にもわかりません。
認知機能が衰えると意思決定能力がないことになります。
つまり契約行為や法律行為はできません。
親族が契約行為や、口座を動かすことは法律違反となります。
大切に愛情を注いでいる不動産を管理運営することはおろか、売買や資産活用もできなくなり塩漬けとなります。
この問題にいち早く気づき、取り上げているのも「日本不動産コミュニティー」です。
やはり腐れ縁ですかね。
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J-REC東京第5支部 代々木SG
J-REC公認 不動産コンサルタント
油井 正光
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