不動産実務検定ブログ
2021/08/17
『「FIRE」に目覚めた友人の話』
■アンチの友人からの突然の告白
J-REC東京第5支部SGの許田です。
このブログを書いている2021年8月現在、
日本のコロナ感染者数は増加の一途でなかなか落ち着く気配が見えません。
早く落ち着いて平穏な日常が戻ってきてほしいものです。
さて、そんな中、東京都内に住むある友人から久しぶりにLINEが来ました。
彼とは年に2~3回たまに会う程度で、
仲はよいほうだと思うのですがお互い仕事や家庭が忙しく、
普段そこまで頻繁に連絡をすることはありません。
…(めずらしいな、久々に飲みの誘いかな?奥さんとうまくいってないとか?)…
そんな妄想を膨らませつつLINEの内容をみて衝撃を受けました。
「最近ちょっと不動産投資に興味があるんだけど、教えてくれない?」
彼は都内の某大企業に務めるサラリーマンで、
収入は安定しており、考え方は堅実…というより保守的で、
もともと不動産投資には一切興味がなく、
それどころか不動産に夢中になっている私を
「博打うち」を見るかの如く冷ややかに眺めていた
ガチガチの「アンチ不動産投資」派の一員でした。
そんな彼から突然の不動産投資の話ですから、
それはもう「キリスト教を信じてたんだけど、
やっぱりイスラム教にするわ」と告げられたぐらいの衝撃でした。
とりあえず平静を装い、
彼がなぜ不動産投資に興味を持ち始めたのか、
話を聞いてみると、
どうも最近巷で話題の「FIRE」に関する本を読み、
それに影響され資産運用や投資を本気で考え始めたのがキッカケのようです。
なるほど、わかりやすい(というか単純)。
■ 「FIRE」?何それ?うまいの?
初めて聞く方のためにちょっと説明すると
「FIRE」とは「Financial Independence, Retire Early」
の頭文字を取った略語で、
日本語では「経済的自立、早期退職」と訳されます。
資産運用をして早期退職することを語ったある米国書籍で
この「FIRE」という単語が使用され、
その書籍が日本でもヒットしたため
(あとYoutuberがこぞって本を紹介したため)、
瞬く間に「FIRE」は流行語となりました。
ただ実際、FIRE本で紹介されている内容自体は
特に目新しいものでも何でもく、
「金持ち父さん、貧乏父さん」やその他の投資本で
昔から散々言い尽くされてきた内容
(経済的自由を得るためのに計画的に資産運用をしよう、収入の一部を投資に当てよう、節約しよう等)
を現代風にちょっと味付けして焼き直ししただけのものです。
それがカッコいいい横文字「FIRE」という言葉で表現されたため、
若者の心に刺さり、瞬く間にバズった…
というのが昨今の流行の真相ではないかと推測しています。
(米国人の言葉作りのセンスにはいつも感心させられます)
また、コロナ禍で将来に不安を覚え、
投資や資産運用の重要性を考えは始めた人が増えたことも
流行とは無関係ではないでしょう。
(…ちなみに余談ですが、「FIRE」という単語は流行ってはいますが、
専門用語でもなんでもないので、お堅いビジネスシーンや
目上の人の前で使うと「流行語を使いたがる薄っぺらいバカ」と
誤解される恐れがあるので乱用は避けましょう)
■不動産投資で死にたくなければすべきこと
さて、そんなFIRE本に触発され不動産投資に目覚めた友人に、
一体何からアドバイスすべきか悩みましたが、
まずは知識のインプットが最優先と考え、とりあえず
「本屋にいって、何でもいいから気になった不動産投資本を
かたっぱしから購入して読むこと!
ノルマは最低30冊!可能なら50冊!理想は100冊!」
とアドバイスしました。
不動産投資の手法は多種多様で、
これが正解というのはありません。
幅広い情報に触れ、
自分に合うと思う投資手法を見つけることが先決です。
同時に、銀行融資、税金、法律についても
基礎的な知識を身につけなければいけません。
「30冊~100冊も本を買うの!?お金がかかる…」
と思った方は不動産投資はやめたほうがよいでしょう。
本は最もコスパのよい投資であり、
仮に1冊1500円で100冊買ったとしてもたったの15万円です。
「たったの」です。
不動産投資をしたことがある人ならわかると思いますが
15万円という金額は、
不動産投資においては極めて小さい「誤差」の範囲です。
しかしながら、この15万円を躊躇せず投資できるかどうかで将来、
何百万、何千万円を儲けるか、或いは損するかが大きく変わってきます。
ベンジャミン・フランクリンの有名な言葉に
『教育が高くつくというなら、無知はもっと高くつく』
というのがありますが、
本気でやるなら土台となる「知識(=教育)」
にまずはしっかりとお金と時間を投資をしないとダメです。
本への投資は不動産投資の最初の試金石です。
さて、このように本を読むことを勧めた後、
だいたいのケースで「お薦めの本は何かありますか?」
という質問を頂くのですが、私は基本、何の本も薦めません。
「とにかくまずは何でもいいので、気になったもの、
目についたものを大量に片っ端から読んでください!」
とアドバイスします。
本の中には情報が古くて化石のような本、
筆者の体験談だけで再現性のない本、
業者の勧誘本・宣伝本等等、
役に立たないどころか有害にすらなりかねない本も多数ありますが、
そういう本も含めてまずは数をこなして
「情報の目利き」
を養う事が大切だと考えるからです。
30冊ぐらい読むとさすがにどの情報が正しくて、
どの情報が間違っているのかが
ある程度はわかるようになってきます。
まずは「質」より「量」です。
これは次のステージの「業者との対決」にも必要な事前準備、
すなわち「知識武装」の段階でもあります。
情報の良し悪しも見極められない状況で、
仲介業者や投資物件販売業者に会いに行くのは
「狼の森に全裸で行く」ようなもので、
業者に言われるがままにロクでもない不動産(=負動産)をつかまされ、
業者の養分となり「不動産1個買って終了!」となるのがオチです
(ヘタしたらその1個で人生終了です)
「かぼちゃの馬車」に騙された人々は
間違いなくこの事前準備の段階をすっ飛ばした人々だと推測されます。
なぜなら普通に勉強していれば「かぼちゃの馬車物件」を買うことは絶対にないからです。
「かぼちゃの馬車」同様に悪質で注意すべきなのは、
今でも巷に跋扈し暗躍する「新築ワンルームマンション投資」業者です。
彼らの案件も、しっかり勉強していれば
買うべき物件ではないことは一目瞭然です。
節税や生命保険という意味では
僅かにメリットはあるかもしれませんが、
それはもはや不動産投資ではありません。
悪質業者に騙されないようにするためにも、
最初の段階でしっかり知識武装をすることが大切です。
実際に業者に会ったり、物件を見に行くのはそれからでも遅くはありません。
■ おあずけ
とりあえず、友人にはまずは本に投資してしっかり知識武装をすること、
そして、
新築ワンルームマンション投資には絶対近づかないこと、
の2点を強調して最初のアドバイスを終えました。
「FIRE」という言葉が流行ったお陰で
不動産否定派から肯定派に改宗(?)した友人が
今後どのように成長し、どのような投資戦略を歩むのか楽しみです。
なお、本当のことを言うと、
友人には良質な知識が効率よく体系的に学べる教材として
J-RECの「不動産実務検定講座フルコース(2級、1級、マスター)」を
すぐにでもお薦めしたかったのですが、
(ポジショントークではありません。本当によい教材です。笑)
まだ本気度がよくわからなかったので
実際に薦めるのはもう少し後に取っておくことにしました。
ゴルフにちょっと興味を持ち始めた人に、
いきなり道具をフルセットで買うこと薦めても
ドン引きされるのがオチですね(笑)
まずは少しずつ様子見です。
▼東京第5支部 許田 哲男 講師
https://www.j-rec.or.jp/koushi/show/52
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