不動産実務検定ブログ

2021/09/21

『FIREの流行で思うこと』

JREC千葉支部湾岸SGで弁護士(事務所HP講師紹介ページ)の石塚大です。


最近の世の中では、FIREが流行しているようです。


FIREとは、


経済的に自立した状態で早期退職し、
自由な時間を過ごすことを目指す生き方



のことで、その方法として不動産投資を選ぶ方が多いようです。


考え方自体は昔からあり、


死ぬまでに使い切れない程の資産を作った人であれば、
誰でもFIREは実行可能なんだと思います。


ただ、今流行のFIREは、


そこまでの資産を作ることは想定せず、
年利4%で運用が出来る前提で、


年収の25倍の資産を手に入れることを目標とする
なんて書いてあるのを見たことがあります。


早く嫌な会社勤務を辞めて、
不労所得を得たいと考えるのは人情です。


最近、その方法として不動産投資に目が向けられているのは、
傍から見ると不動産投資が楽に見えているからでしょう。


例えば、たまたまバブル崩壊(1990年代)や
リーマンショック(2008年)等の


安い時期に仕込むことが出来た運の良い大家さん達が、


ここ数年、盛んに本を出したり
講演を繰り返していることと無関係では無いと思います。
 

でも今の時期、FIRE出来る程の財産を短期的に作る目的で
不動産投資を選ぶことは、お勧め出来ません。


不動産投資には時間が掛かるからです。


ちょっと計算すれば分かることですが、


例えば借り入れで1億円の物件を購入するとして、
よほど安く物件を仕込まない限り、


手元に残るキャッシュフローが1%もあれば良い方
というのが不動産投資の現実です。


ざっくり1億円の投資で年間のあがりが100万円程度です。


この規模で日本人の平均年収に近い年収500万円を稼ぐには、
少なくとも5億円の投資が必要になる計算です。


修繕費が嵩めば、こんな利幅は、
あっという間に飛んでしまいます。


元手で幾ら用意するか、どの金融機関に相談するかで多少話しは変わって来ますが、
例えば他に資産を持っていない年収500万円の人が借り入れ出来る限度額は、


よほど条件に恵まれたとしても、
1億円に届かないでしょう。


実質、FIREが可能なのは、
潤沢に元手を用意出来る、かつ融資を引くにも余裕のある高い年収を稼いでいる方に限られるわけです。


値上がり益で短期的に大きく資産形成した運の良い大家さん達の話を真に受けると、
本当に危険です。


最近問題となったスルガ問題を見ても、
こうした規模感と時間軸を理解出来ていない素人がカモにされているようです。
 

値上がり益を無視した場合、
不動産投資は非常に地道な仕事です。


細かい交渉や知識も必要です。


でも、20年後30年後を考えて投資する人たちにとっては、手堅い投資方法です。

 

不動産実務検定は、そんな地道な努力を怠らないあなたの期待に応えていきます。


石塚 大 講師
https://www.j-rec.or.jp/koushi/show/12



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