不動産実務検定ブログ
2025/01/22
『進むも地獄、戻るも地獄?!』
こんにちは。
東京第4支部 でこひろし こと 小野 隆志 です。
私自身の不動産投資実体験をベースにしたストーリー仕立てのコラムです。
第1回目からご覧になりたい方はこちらまで遡ってご覧ください。
第1回目 第2回目 第3回目 第4回目 第5回目
第6回目 第7回目 第8回目 第9回目 第10回目
第11回目
私のプロフィールはこちらです。
https://www.j-rec.or.jp/koushi/channel/RtuRMuR
不動産実務検定講座募集中です。ぜひ一緒に勉強しましょう!!
【最初の分岐点】
場所は山手線の田町駅から
徒歩5分ほどのタワーマンション。
下から建物を見上げると
そのタワーマンションは
反り立つかの如くそびえ立っている。
1階のラウンジには、東京都心にありながらも
とにかく無駄に広いスペースがひろがっており、
真ん中には誰が弾くのか想像もつかないような
漆黒のグランドピアノが置かれていた。
「でこさん、お久しぶりです。
わざわざお越しいただきありがとうございました。」
「工藤さん、こちらこそ、
お時間いただきありがとうございます!」
工藤さんとは、不動産会社主催のセミナーで知り合った。
当時、でこひろしはまだまだ不動産投資の規模を
拡大させたいと思っており、
そのための戦略について模索していた。
そんな時に出会ったのが、この工藤さんだった。
工藤さんは、地方RC物件を3年程で一気に買い進め、
不動産投資の経歴が浅いながらも
でこひろしよりも大きな資産を構築していた。
そんな工藤さんに戦略についての
悩みを相談したところ、
自宅のあるマンションに招かれたのだった。
手土産は何が良いかと悩んだが、
地元山梨の鉄板土産「桔梗屋信玄餅」をセレクトした。
「お餅」と「きな粉」と「黒蜜」の絶妙なハーモニー!!
世の中に信玄餅が嫌いな人なんているわけない。
誰もが大好き「信玄餅!」と、
今でも頑なに想い続けている!
桔梗屋の工場がある本社では、
観光客に大人気の信玄餅の詰め放題イベントが
毎日のように開催されており、
8時前から多くの人達が・・・
・・おっと、
熱い地元愛が溢れ出てきてしまったので
「信玄餅」の話はこれくらいにして・・
話を元に戻そう。
さてさて、これまで木造の中古物件を中心に
不動産を買い進めてきたでこひろしであったが、
不確かながらも確実にある懸念を感じていた。
それは、「銀行融資の継続性」だ。
工藤氏曰く、
不動産投資を規模拡大させるためには、
とにかく「銀行融資」が肝であるのは間違いないが、
築年数の古い木造物件は、
いわゆる「法定耐用年数」を経過している点が問題となる。
それは、建物の価値がゼロ、もしくは
マイナスにて評価されてしまうからだ。
銀行が評価する不動産の担保価値が
融資額より上回っていれば、「資産超過」となり、
理論上は無限に不動産を買い続けられるが、
反対に融資額よりも担保価値が下回っている場合は
「債務超過」になってしまうというのだ。
もちろん、でこひろしもその考え方は
頭では理解していたが、
今までは、その理屈に関して
無意識に蓋をしてきたのかもしれない。
「では、どうしたら良いか」
工藤氏曰く
「現在、所有している不動産の全売却!!」
「・・・」
(しばしの沈黙)
(・・・何と!!)
うっすらと、心のどこかでは予想していたが、
実際に面と向かって言われると、言葉を失った!
「サンクコスト効果」
サンクコスト(埋没費用)とは、
「すでに支払ってしまい、取り返すことのできない
金銭的・時間的・労力的なコスト」のことだ。
そして「サンクコスト効果」とは、
「すでに支払ったそれらのコストを取り戻そうとする心理効果」
を指している。
サンクコスト効果の影響を受けてしまうと、
サンクコストに気が取られ、
合理的な意思決定ができなってしまう。
そう、でこひろしは「全売却」の選択が
もしかしたら必要かもと思いつつも、
これまで掛けてきたコスト(労力)を思うと、
とてもそんな気分にはなれなかった。
そう、正に「サンクコスト効果」だ!
それからは、「全売却しない」ことの正当性を
自分の中で後付けで作り出していった。
・今売却したら、すべて「短期譲渡」になってしまう。
・ちょうど、今の本業の仕事でのプロジェクトが
忙しくなってきたので売買をしている時間なんて取れない。
・売却は銀行から嫌がられるし、
これから融資が受けれなくなってしまう。
・星の数ほど金融機関があるので、
今のままでも頑張って開拓しさえすれば
これからも融資は受けれるはずだ。
などなど、数々の「全売却しない」理由をでっち上げて、
最終的に、このまま進んでいく道を選んだのだった。
そう、でこひろしは安きに流れたのであった。
<つづく>
※ この物語は事実をベースにしていますが、
あくまでもフィクションです。
実在の人物や団体、また出来事に関しては、
類似があったとしてもそれは偶然です。
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1日目: 2025/02/19(水) 6:00~7:00
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5日目: 2025/03/03(月) 6:00~7:00
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7日目: 2025/03/07(金) 6:00~7:00
8日目: 2025/03/10(月) 6:00~7:00
9日目: 2025/03/12(水) 6:00~7:00
10日目: 2025/03/14(金) 6:00~7:00
11日目: 2025/03/17(月) 6:00~7:00
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東京第4支部 でこひろし こと 小野 隆志 です。
私自身の不動産投資実体験をベースにしたストーリー仕立てのコラムです。
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第6回目 第7回目 第8回目 第9回目 第10回目
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とにかく無駄に広いスペースがひろがっており、
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「でこさん、お久しぶりです。
わざわざお越しいただきありがとうございました。」
「工藤さん、こちらこそ、
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当時、でこひろしはまだまだ不動産投資の規模を
拡大させたいと思っており、
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工藤さんは、地方RC物件を3年程で一気に買い進め、
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8時前から多くの人達が・・・
・・おっと、
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工藤氏曰く、
不動産投資を規模拡大させるためには、
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もちろん、でこひろしもその考え方は
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